これからトライアスロンを始めたい!というとき、どうやって練習すればよいかと考えますよね。
スイム・バイク・ランの3種目もあるうえに、それらを連続してやらないといけないとなると、何か特別なトレーニングも必要なのではと心配になったり。具体的には、トライアスロンスクールに入るか、それとも自主練でもなんとかなるか?で皆さん悩むのではないでしょうか。
ここでは、トライアスロン3年生の管理者が、自分の経験と見聞きしたことを元にして、それぞれのメリット・デメリットをざっと挙げてみます。初心者の皆さんが、自分に合った方法はどれか?を見つけるヒントになると思いますよ。
Contents
トライアスロンスクール
まず、トライアスロンスクール(トライアスロン教室)とは何か?ですが、概ね、スイムを中心にバイクおよびランの3種目全てを教えてもらえるところを指すようです。私はスクールに通っていたことがありますが、やはり3種目のレッスンがありました。
ただし、単に3種目を習うというだけではなく、あくまでトライアスロンのスクールというところがポイントになります。
メリット
トライアスロンスクールに通うことのメリットを挙げてみます。
スイム練習がみっちりできる
練習場所の確保がいちばん難しい種目だと思いますが、スクールなら最低でもコース単位で貸し切りになるはずです。また、コーチが見ているのでだらけにくいです。週に数回、必ず練習することにもなります。
泳げなくても泳げるようになるまで教えてもらえる
泳げないのに始める人、たくさんいますよ!ちなみに、スピードは必要ありません。ゆーっくりでいいので、750m続けて泳げるようになれば、レースに出られます。
ウェットスーツを着て泳ぐ練習ができる/スポーツウォッチを着けたままで泳ぐ練習ができる
いずれも、公営プールやフィットネスクラブでは禁止のところが多いと聞きます。なお、ウェットスーツは自分で用意する必要があります。(ウェットスーツについては、別記事にてご紹介できればと思っています)
スイムのフォームを動画撮影してもらえる
百聞は一見に如かずで、自分のフォームを見ることができると悪いところが把握しやすくてとてもよいのですが、公営プールではカメラの利用が禁止されています。スクールなら貸し切りなので、誰にも気兼ねせず撮り放題です。
3種目通して教えてもらえる
それぞれの種目毎に個別にスクールを探すより楽です。なお、私の通っていたスクールでは、曜日毎に種目が決まっていました。平日夜はスイムかランで、バイクは土日のいずれかでした。ただ、バイクには室内トレーニング用の機器がありますので、そういった設備のあるスクールでは、平日晩に短時間のバイク練習のカリキュラムを組んでいます。
コーチが選手を経験している(または現役)のパターンが多いため、実戦的に教えてもらえる
トランジット(種目間切り替えのこと。自主練の説明のところに記載がありますので併せてご覧ください)をひとつの種目として教わったのは、驚きでした。タイムを重視しだすと練習しがいのあるポイントですが、初心者にはおそらく初耳では?また、自転車やウェットスーツなどの道具類の選び方についてもアドバイスしてもらえます。
スクールならではの練習ができる
スイムでは、大勢で団子になってしまったときの対処の仕方がポイントになります。バイクでは、団子になることがルールで禁止されています。チーム員が集まって、団子状態を想定した練習ができるのはとても有効です。なんといっても、一人ではできない練習です。
仲間が増える
練習の後にご飯を食べに行ったり、お互いに得意種目のことを教えあったりするだけでなく、シーズンオフに一緒にマラソン大会に出場したりもしました。家が近所同士だと、練習がない日に一緒にランニングする人たちもいました。
海での遠泳練習ができる
一人とか、慣れない人だけでは危ないです。スクールのスイム練習の一環で、町中からほど近い海水浴場にて練習会が行われたのですが、砂浜から走ってスタートすること、しかもそれをウェットスーツを着た状態でやること、今度は逆に海中から走って砂浜へ上がってくること、が体験でき、とても有意義でした。
レースの段取りを詳しく教えてもらえたり、レースを引率してもらえることもある
通っていたスクールでは、目標レースが設定されて、皆でそれに向けて練習を積みました。レース開催の週末は皆揃って行動しましたが、心強いのはもちろん、運動部の合宿のようでとても楽しかったです。
情報交換がしやすい
やっぱり同じ趣味の仲間と繋がりがあると、Webで調べたりするのとは違って、本当に欲しい情報が手に入りやすいように思います。休憩の合間の雑談の中でも、教えたり教わったりということがよくありました。例えば、いちはやくレースデビューした人に体験談を聞いたり、新製品を試した人に使い勝手を聞いたりなど。
競技に関する質問ができる
例えば普通の競泳とトライアスロンのスイムパートでは、共通点もありますが相違点もたくさんあるので、普通のスイミングスクールのコーチに質問をしても、内容によっては的確な回答が得られないおそれがあります。
オフシーズンもきっちり練習できる
レッスン料が無駄になることや仲間の目を思うとさぼりにくくなります。また、時季により練習において重視すべき点が異なりますが、スクールならその辺をコントロールしてもらえます。
デメリット
トライアスロンスクールに通った経験から、デメリットと感じることはこちらです。
レッスン料が高額なことが多い
幾らを高いと思うかはそれぞれのお財布事情によりますが、私の通っていたスクールでは、月謝が15000円+税でした。ただし、レッスン10回分ですので、割高とは思いません。
拘束時間が発生する
いやでも早起きするとか、頑張って残業を回避するようになるため、メリットと捉える人もいます。具体的な例としては練習場所までの移動時間とレッスンで計2~5時間、これを1ヵ月あたり10回ということになります。
何せお金がかかる
例を挙げてみましょう。
- チームのユニフォームがある場合、10000円ぐらいからでしょうか。自転車用のウェアを別に用意しているところなら、上下で15000円~。
- スイムの練習用具の購入を求められることもあります。パドル2500円前後、フィンも同様に2500円前後。
- バイクの練習で山に行く場合、遠ければ交通費(電車賃やレンタカー代など)が必要になります。琵琶湖や淡路島などに行く場合も同様です。
- みんなで一緒にあるレースに出場しましょう!となった場合、自分が思うより高級なホテルに泊まることになってしまう場合もあります。
上記はスクールに所属する以上回避しにくいものですが、その他にも、仲間の新しいウェアがうらやましくなったり、仲間が自転車を買い替えたところスピードが上がったので、自分も負けていられない!となったり・・・と、言い出すときりがありません。
トライアスロンの自主練
3種目に共通するメリットとしてすぐに思い付くのは、マイペースで進められる、他の人に気兼ねする必要がない。
デメリットは、練習メニューをどうやって組めばよいかがわからない、モチベーションが維持しにくい。といったことになるでしょうか。
種目別でも見てみましょう。
スイム
スイムについては、初心者に限らずですが、どこで練習するかによりメリットデメリットも違ってきます。
公営プール
- メリット:施設利用料が安い(自治体にもよりますが、1回600~800円程度、定期券が5000円~など)
- メリット:50mプールが利用できる施設もある(ターンまでの距離が長く、25mプールに比べて深さもあることから、少し海に似た状況で練習できます)
- デメリット:フォームが良くないと思っても、どう直せばよいか分からない
- デメリット:営業時間が9時~21時ぐらいということで、ライフスタイルと合わないことがある(そもそも行けない)
- デメリット:仕事帰りに行くと混みがち(思ったような練習ができない)
フィットネスクラブ
- メリット:レッスンプログラムがある(初心者向けクロール教室など)
- デメリット:20mしかないことがある(正式なプールは25mとか50m。ターンの回数が多いとしんどいうえにあまり練習になりません)
海など
- メリット:実戦的な練習ができる(ウェットスーツもウォッチも着用自由です)
- メリット:海で泳ぐことに特化した練習会がある(「オープンウォーター練習会」で検索してみましょう)
- デメリット:一人では不安(と、いうより危ない)
- デメリット:練習できる季節が限られる(寒中水泳はあまり一般的ではないですよね)
バイク
ロードバイクのチームなどもありますが、そちらの方が初心者にはハードルが高いかと思います。(例えば、自転車のレースに出場することを目標に、休日を練習に費やすチームなどがあります。他の2種目の練習時間が確保できなくなってしまいます)
おすすめは、自転車店の練習会に参加することです。公道の走り方、集団走行のマナー、ハンドサインなどを教えてもらえるというメリットがあります。
トライアスロンのレースでは一般車を規制したうえでの単独走行が基本ですが、ロードバイクに乗る以上、一般道を他人や他の車と一緒に走る技術は、身に着けておいて無駄にはなりません。また、練習コースも覚えられますし、淡路島一周やしまなみ海道サイクリングなどのイベントに参加できることも。(長い距離を一定のペースで走ることになるので、とてもいい練習になりますよ)
デメリットは、トライアスロンのレースでの走り方を教わることはできないことです。当然といえば当然ですが。
ラン
比較的自主練のやりやすい種目かと思います。
マラソンのテキストなどはたくさん出版されていますし、一人では続けにくいという場合でも、マラソンサークル、スクールなどが他の2種目よりはたくさん見つかるでしょう。
実はトライアスロンのランはマラソンとは異なるのですが、最初のうちはそこは気にしなくて大丈夫です。(トライアスロンは基本的には10km、フルマラソンは42km、距離が違えば取り組み方も違うのですが、初心者なら、そもそも走ることに慣れることからですよね)
トランジット ※種目間の切り替えのことです
初心者のうちは、あまり競技種目としての練習は必要無いと思います。
他選手と1分1秒を競うような選手になれば、時間短縮のテクニックは色々とありますが、それはそれ。初心者のうちは、使い終わった装備を散らかさないよう置き、次の種目に必要な装備を漏れなく身に着け、コースを間違わないようにさえすれば、十分です。(こちらについては、別記事にてご紹介できればと思っています)
補足:モチベーション維持について
モチベーション維持に関しては、SNSが活用できます。特に、スポーツ活動に特化したSNSというのがあって、練習内容やペース、どこをどう走ったか、などを詳しく投稿できるようになっています。これで仲間の練習内容を見て刺激を受けたり、記録を競い合ったり、ということができます。
なお、自転車なら、多少の設備を整えれば、オンライン上で仲間と競争などもできるんですよ。バーチャルの大会も企画されていて、ゲーム感覚で参加できます。インターネットばんざいですね。(こちらについても、改めてご紹介するつもりです)
で、結局どっちがいいの?
えいやでやってみて、合わなければ変えればOK
いろいろと挙げましたが、ざっくりおすすめすると、次のようになります。
- 多少費用がかかっても、効率よく上手になりたい。チームメイトがほしい。というひとには、スクール。
- 自分で試行錯誤しながらやるのが好き。時間を縛られたくない。というひとには、自主練。
もちろん、スクールに通いつつ単独行動を貫くひともいれば、あちこちの練習会を渡り歩くスタイルのひともいます。あれこれ試して自分に合ったやり方を探すのもいいですね。スクールに通ってみても、合わなければやめればよいのです。逆に、自主練を始めてみて、限界を感じて初めてスクールに入るのもありです。
私の場合は、自転車店の練習会 → トライアスロンスクール → 自主練 というような流れで来ています。1年程スクールに通ったら、練習の仕方などは大体分かった気になれたので、一旦卒業することにしました。今は一人でマイペースに楽しんでいます。でも仲間とワイワイやるのも楽しかったので、今後気が向いたら、またスクールを探すかもしれません。
スクールでも気兼ねは不要
そうそう、自主練のメリットとして「他の人に気兼ねする必要がない」を挙げましたが、スクールに入っても気兼ねする必要なんて全くありませんので、ご安心ください。レベルに応じたレッスンが受けられるよう配慮してもらえますし、そもそも上手なら習いに行く必要はありませんよね。あくまで個人種目ということもあります。なので、練習もしっかり楽しんでもらえたらと思います。
とにかく始めてみましょう
さいごに。偉そうですが、どうやるか、よりも、初心者のあなたの場合、肝心なのはやってみることです。
失敗なんて特にありませんし、悩んでいるならとりあえず近所をランニングしに行きましょう!